イギリス留学のイメージ

would(あるいは、その他にcould, might, shouldのこの4つのコトバ)の威力と恐さが分がらなければ、その人の英語力など外向きにペラペラ話しているように見えて、たいしたことはないことが分かるのである。 そこで、このwouldをさらに、時間的にひとつさかのぼらせると、l wish (that)you had passed the exam「あなたが試験に受かっていたらよかったのにねえ」となって、had passed の部分が、「裏切られた過去の事実」としての仮定法・過去完了の゛命″だということも分かる。
この部分は、I wish (that)have passed the examのように、would(could)have passed と、してもよい。 これも、「受かっていたらよかったのにねえ」となって、仮定法・過去完了の文である。
これらの場合、wishをwishedなどと過去形に直したりするのは愚の骨頂である。 仮定法の文は、「受かってたらよかったのにねえ」と、目の前の相手に言っているのだから、常に時間的に目の前の「現在(形)」のところで話される表現だからだ。
何度でも言うが、仮定法の「法」というのは、mood(ムード)と言って、「気分、感情」のことであり、「バカだなあ。 もっと勉強したらよかったんだよ」という感情的な表現なのである。
それが「法」理論なのだ。 同じく命令「法」なら「勉強しろ」、名詞「法」なら、「勉強!勉強!」であるように、「法」(mood)理論というのは、そのような文法理論として、ヨーロッパ文明2000年の中心である正統のラテン学問の中の、そのまたラテン文法学(あるいはラテン修辞学Latin rhetoric, ラテン・レトリーク)の伝統に育まれたものなのである。
それより、ずーっと後の17世紀頃完成した品詞分類理論などというケチなしろものとは出来が違うのである。 これで、wishとhopeの違いが分かった。

さらに、では、wish, hopeとよく似た動詞であるwant 「~を望む」「欲する」は、前二者と、どう違うというのか。 ここに英文法学上の重大な問題が隠されている。
wantは、wish,hopeと違って、that節(名詞)をあとに取れない動詞である。 そもそも複(合)文を作れない動詞なのである。
l want that you will pass the examだから、wish, hopeと同意文を作ろうとすると、どうしI want you to pass the exam。「私はあなたに試験に受かってほしい」という文になる。 このようにしなければならない。
これは、実にキレイな文である。 この文をl want you……で「私はあなたが欲しい」、……to pass the exam で「試験に受がるために」などとバカな訳をやってはいけない。
絶対にやってはいけない。 この文が、s+v+o+c+〇'という「第五文型の文」の典型を示していることが分かる。
実は、第五文型というのは、この例文から誕生(発生)したのだと鋭く観察することができるのである。 want that S'+vがつくれないということから、第五文型が生まれたのだ。

wantには、もともと「仮定法」の性質などみじんもない。 しかし、wantの同意語であるwould like to 「~したいなあ」のwouldは仮定法のwouldである。
I want that……とか、I make that……とか、I have that……とか、I get that……という表現形は聞いたこともないだろう。 こんなものはあり得ないのである。
なぜか。 これらのmakeやhaveやgetなどの重要な動詞は、that節をそもそもとらないのである。
とれないのである。 だから、「あなたが受かることを私が望む」という複合的な表現は、接続詞thatを殺してl want you topass……という形にギュッと凝縮させて短縮現象を起こす。
これを「第五文型の文」と呼んだのである。 これで、「文型」(格上理論」という考え方と、「接続法」(=「法」と「節」の理論)という考え方がつながった。
さらには、ここまで、詳しく、多くの例文で検討したことから分かるとおり、willとwouldやwouldhave+ppなどの使い方の恐るべき違いを理解した。 ここで、ある英文の内容の時間がどこで流れているかを示す「時制」(=aspectの理論)が、重要な働きをしていることも分かった。
これで、「格」と「法」と「相」の3つの大文法理論が相互に関連しあっていることが分かってくる。 そして、この3つの文法理論が立体的に交差する空間に、生きた英文というものが、存在するのであ仮定法は、人間の感情に関わる表現であって、事実(=科学=学問)に関する表現である直説法の世界と大きく対立すると考えることで、仮定法とは何かが、これで分かっただろう。
英語文法理論の体系英語の山と「節」についてそこで、ここからひとまとめにして、英文法理論の体系を説明する。 接続法の「法」(ムード)とは何か、が分かったところで、ここで、「文型」(=「格」)と、「時制」(=「相」)との関係を立体図式にしてみる。
その前に、そもそも英文(sentence,センテンス)とは何か。 英文というものを、英語文法理論の体系の中に位置づけて、図示するならば、次ページのようになる。
英文は大きく、I love youのような単(純な)文の世界と、接続詞で前後につながる複(雑)文(=)複(合)文(complexed sentence)の世界の2つに分けられる。 この他に、複(合)文と、ちょっと違って、l went there,and l met her 「私がそこへ行ったら、彼女に会った」のように、接続詞and (そして)、but (しかし、so(だから)、for (というのは)、and then (そしてそれから)などの、ごく普通のただの接続詞、すなわち空気や水のように頻繁に使われる接続詞によって、単(純)文が、前後にべ夕べ夕とつながっただけの重文compound sentence というのもある。

複(合)文は、本当は、全てラテン文法の「接続法(Coniunctive, コンジャンクティヴ)」と呼ばれる大きな文法理論の中に含まれて、ここでさらに何種類かに分類されるべきなのだ。 「接続法」というのは、小さな文と小さな文が、各種の接続詞(that, when, if, because等の約20個の重要な、従位接続詞)を使ってどのように前後に関係し合いつながるか、ということを中心に考える大きな文法理論である。
これと「文型」という考え方はまったく別ものだ。 「文型」(=「格」)は、この英文は、「第何文型の文だ」というような、小さな文(単文)自体の要素・骨組みだけに着目して「これが主語だ。
動語だ。 目的語だ。
補語だ」「ここは、文の要素にならないので、副詞句だ」という風に分析してゆく理論である。 だから「法」(あるいは「節」)と「文型」(あるいは「格」)は文法理論として、大きく対立する。
対立するというよりも、英文そのものに対する観察角度が違う。

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